関根光才 Kosai Sekine Film Director
映像作家・映画監督。クロスカルチュラルなストリーテリングと思索的なビジュアルスタイルで、長編映画や短編映画、CM、ミュージックビデオ、アートインスタレーション作品など多岐に渡るジャンルの映像作品を監督・制作している。
造形アーティストの両親のもと、東京で生まれる。上智大学哲学科在籍時、アメリカでの短い留学中に写真に興味を持ち、映像制作を志す。卒業後、2000年から広告映像制作会社にプロダクションアシスタントとして勤務。
2005年に初監督の短編映画『RIGHT PLACE』を発表し、ニューヨーク短編映画祭の最優秀外国映画賞などを受賞。翌年、英レインダンス映画祭のために監督したトレイラー作品と共に、カンヌ広告祭のヤング・ディレクターズ・アワードにてグランプリを含め3部門で最高賞を受賞し、英誌SHOTSの発表する新人監督ランキング世界1位となる。
2008年に独立後、国内外で多くの短編映画、CM、ミュージックビデオを監督し国際的な認知度を高めると、世界数都市に拠点を持つ映像制作会社Stinkに参加。2014年に手掛けたHONDA『Ayrton Senna 1989』はカンヌ広告祭チタニウム部門グランプリなど、同年度世界で最も多くの賞を受賞した広告映像作品となった。
2013年、東日本大震災と福島原発事故を受けて発足された社会的アート制作集団「NOddIN(ノディン)」で活動を始め、以降、原発問題や反戦、難民問題など多くの社会的イシューを扱った作品を発表している。
2018年、初めて長編劇場映画の監督・脚本を担った『生きてるだけで、愛。』(原作:本谷有希子)が公開。過眠症の女性が経験する葛藤を描いた本作では、新人映画監督に贈られる新藤兼人賞・銀賞、フランス、キノタヨ映画祭・審査員賞などを受賞。同年、大阪万博から始まり現代社会の構造問題を問う長編ドキュメンタリー映画『太陽の塔』も公開された。
2023年には、長編劇映画2作目となる『かくしごと』(原作:北國浩二「嘘」)を公開。主演の杏が、過去の葛藤に争いながら、認知症の父と再会し、児童虐待の被害を受けた少年を匿う女性を熱演している。また、ドキュメンタリー映画『燃えるドレスを紡いで』では、日本人としてただ一人、パリ・オートクチュールコレクションで活躍するデザイナー・中里唯馬を追いながら、ファッションのゴミと環境問題の関係性を見つめ、トライベッカ映画祭にて The Human/Nature Awardを受賞している。
投票を呼びかけるプロジェクト「VOICE PROJECT」 共同発起人
映像制作会社NION(ナイオン) 共同設立者
京都美術大学 講師
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団 評議員